[自炊道具編] 3000冊を自炊した経験によるオススメ7つ道具を紹介!では自炊に必要な道具を紹介してみました。
今回はその続きで、それらの道具を使った具体的な作業について写真付きで解説してみます。

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1. 裁断

まずは裁断です。
最初にやることは本のサイズを測ることです。
カバーを外して定規で横幅を計測します。
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この写真の例だと112mmです。

前回解説したように、PK-513LNを使う場合はマイナス3mmするとだいたいほどよく裁断できます。
112mmからマイナス3mmで109mmで裁断します。
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背表紙側を裁断するとこんな感じになります。
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切られた背表紙側はこんな感じです。
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裁断したらちゃんと切れているかをチェックします。
特に表表紙や裏表紙の近くはくっついていることが多いので要チェックです。
こういった部分をきちんとはがしてからスキャンしないと重送の原因になり、最悪紙が破けてしまいます。
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このように途中がくっついているケースもあるので手を抜かず全ページをパラパラとチェックしましょう。
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また、PK-513L(N)の場合一気に裁断できる枚数は100枚(200ページ)くらいです。
100枚を超える場合には先に本をカッターでばらしてあげる必要があります。

本をばらす場合の手順について説明します。
まず100枚以下になるところでページを開きます。
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この状態でカッターで少しずつ切れ目を入れていきます。
一気に切ろうとせず数回にわけて切るつもりでやると、もともと開いたところは谷型になっているのでさほど苦労せずに切り開いていくことができます。
だいたい4-5回もカッターを当てると、180度まで本が開いた状態になります。
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この状態で本をひっくり返して今度は背表紙側から切っていきます。
背表紙側から切るときはもう本が開ききっているはずなので、多少力を入れて切っても大丈夫です。
だいたい2回くらいでカットするつもりでやるとうまくいきます。
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こうして分解したら、それぞれ裁断機で裁断すればOKです。
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またハードカバーの場合には、表表紙裏表紙背表紙がくっついているので、これらをまとめてまず本から切り離し、分解して上げる必要があります。

2. スキャン設定

次はスキャン設定です。
ここではS1500の設定について解説します。
(もうiX500を使っている人もいるんでしょうね。。。)
設定内容は引き継がれるので、例えば同じ設定で自炊をし続けるのであれば設定は一度やれば大丈夫です。

設定はScanSnap Managerの設定画面から行います。
Macの場合ScanSnapのアイコンを右クリック(トラックパッドだと2本指タップなど)するとメニューが表示されるのでそこから「設定」を選択します。
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「おすすめ」「コンパクト」「きれい」「カスタマイズ」とありますが、「カスタマイズ」を選択して詳細ボタンを押します。
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まずは保存先です。
保存先タブを選択してPDFを保存したいフォルダを指定します。
ただ、なぜかファイルを初めて実際に保存するときにはこの設定が反映されておらず再度保存先を入力する必要があります。
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この画面からファイル名の設定を行います。
ここはさして重要ではないのでデフォルトのままでも構いません。
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次に一番重要な読み取りモードの設定です。
下記は私の設定例ですが、自炊であればこれで良いと思います。
画質がエクセレントだとファイルサイズが大きくなりすぎるので、大事な書籍だけエクセレントにする等の使い分けでもいいかもしれません。
また、カラーであることが重要な書籍の場合にはカラーモードをカラーにしましょう。
「継続読み取りを有効にします」というのは、これをチェックしていないと一冊の本を複数回に分けて読み込んだ時に一回ごとに別のファイルとして扱われてしまいます。
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ここからオプションも設定します。
私の場合には全ての補正を外しています。
特に自炊の場合には、傾きや向きを補正されたり白紙を削除されると困ることが多いので、全てチェックを外して良いと思います。
名刺やレシートを読むこむときはこれらの補正は有効でしょう。
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続いてファイル形式です。
自炊の場合にはやはりPDFが便利です。
「検索可能なPDFにします」のチェックは外しておきましょう。
このチェックが入っているとOCR機能が働き、読み込みにすごく時間がかかってしまいます。
とりあえずスキャンはOCRなしで行なって、技術書などOCRが必要な物はあとからAcrobatで検索可能にするのでも良いと思います。
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原稿とファイルサイズの設定はデフォルトのままで良いと思います。
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これでScanSnapの設定は完了です。
画面の下にある「適用」ボタンを押して設定を保存します。

3. スキャン

いよいよスキャンを開始します。

最初にカウンタをチェックしましょう。
MacであればScanSnap Managerのアイコンを右クリックして出るメニューから「消耗品の管理」を選択するとチェックをすることができます。
これは最後にリセットしてからのスキャン枚数を知ることができます。
これが消耗パーツのリミットを超えていたらスキャンの前にパーツの交換が必要です。
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次に原稿をセットします。
一回にセットする原稿は50枚(100ページ)が上限です。
コミックスだとだいたい200ページ未満なので2回に分けることになります。

経験上、カラーのページと白黒のページを一緒に読み込むと重送が発生しやすいようです。
もっと言うと、紙質が違うページを一緒に読み込まないほうが良いようです。
コミックスなどで最初がカラーページなどの場合、それは単独で読み込むほうが良いでしょう。

スキャナに入れやすいように原稿を斜めにしておきます。
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スキャナの読み取り台にセットします。
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スキャナの読み取りボタンを押すと読み込みが始まります。
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全部読み込み終わると「継続読み取り」するか「読み取り終了」するかの選択画面が出てきます。
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続きがある場合には先に続きの原稿をセットします。
そしてスキャナのボタンを押すか、「継続読み取り」のボタンを押すと読み込みが始まります。
スキャナのボタンを押すほうが間違いがなくて良いと思います。
一冊完了の時は読み取り終了ボタンを押します。

「読み取り終了」を押すと読み取った内容をどうするか選択する画面が出てきます。
一番左にある「指定したフォルダに保存」を選択します。
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指定したフォルダに保存する画面が出てくるので、ファイル名やフォルダを指定します。
ここで最初の保存する際には、保存先フォルダになぜか先ほど設定画面から設定したフォルダが出てこないので改めて入力します。
一度フォルダを指定してあげると次回からは引き継がれます。
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4. 確認

スキャンしたファイルが問題ないか確認します。
S1500の場合重送チェックは優秀なので落丁が出ることはほとんどないですが、特定のページだけサイズが違っていることがたまにあります。
またスキャナの読み取り部分の掃除をしていないと、特に黒い画面で縦に線が入ることがあります。
複数回に分けて読み込みしている場合、途中から上下を逆に入れてしまっていることもたまにあります。

読み込んだファイルをAcrobatで開きます。
Acrobatのバージョンによっても違いますが、ページサムネイルモードにすると便利です。
一ページ一ページじっくり見なくても大丈夫なので、矢印キーを連打するなどしてざっと全ページをチェックします。
問題があるページがあった場合には、全部再スキャンしてもいいですし問題のページだけ再スキャンしてAcrobatでそのページを挿しこんでも良いです。

Acrobat Readerではページの削除や挿入はできません。
ちょっとお高いですが自炊をするなら(このあと説明する圧縮作業もあるので)Acrobatはほぼ必須です。
S1500だとWin版Mac版それぞれにAcrobat(Mac版はAcrobat Pro)が添付されているので良いのですが、iX500の場合にはMac版Acrobatは付属していないので注意が必要です。
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5. メンテナンス

一冊毎にやる必要はないですが、ある程度冊数を処理した毎にメンテナンスが必要です。

まず裁断ですが、切れ味が悪くなったと思ったら刃を交換します。
PK-513LとPK-513LNでは対処が違う(PK-513LNは刃の研磨ができない)ので注意が必要です。
このあたりは前回の[自炊道具編] 3000冊を自炊した経験によるオススメ7つ道具を紹介!を参照してください。

また裁断機の受け木も定期的にチェックしましょう。
受け木に入っている切れ目が深いようでしたら、受け木を回転させてあたらしい場所を使うようにします。
受け木は四面使えて、かつひっくり返すことで一面で二箇所使えるので、計八箇所つかえることになります。

次にスキャナです。
こちらのほうがよりこまめなメンテナンスが必要です。
裁断した紙は端に紙の粉が付いているため、読み込みする毎にスキャナの読み取り面のガラスにその粉が付着していきます。
一冊毎に掃除する必要はないですが、10冊読み込み程度毎に掃除してあげるなどしましょう。
もしくはスキャン後の確認で縦線が入っていたら都度掃除をしてあげるようにします。
汚れるペースは紙質によってもかなり変わってきます。

私の場合にはScanSnapの純正のクリーニングワイプを使ってガラスを拭くようにしています。
ScanSnapには色々なクリーニング用品がありますが、3000冊自炊してもまだクリーニングワイプしか使ったことがないので、これだけあれば充分ではないでしょうか。
またスキャナの各種ローラーや超音波センサーも汚れていくのでこちらも掃除をするようにします。



ローラーはそのままでは見えている部分しか掃除できないので、以下の方法でローラーを回転させて掃除します。
S1500の場合、スキャナのADFカバーを開いてローラーなどを露出させた状態でスキャンボタンを3秒間長押しします。
続いてスキャンボタンを短押しする毎に、各種ローラーが1/6ずつ回転します。
ローラーにクリーニングワイプを当てた状態でスキャンボタンを押していけば、ローラー全体をクリーニングすることができます。

スキャナのクリーニング方法は取扱説明書に詳しく説明されているので、そちらも参照してください。

6. 圧縮

AcrobatにはPDFを圧縮する機能が付いています。
コミックスの場合だいたい1/3くらいまでサイズを小さくすることが可能です。
複数ファイルをいっきに圧縮することができるので、大量に自炊をした後に一気に圧縮しておくと便利です。
Acrobatのバージョンによって圧縮するための操作はかなり異なるので、持っているAcrobatのマニュアルやメニューを確認して圧縮すると、タブレットなどに入れられる冊数が増えます。
もちろん、オリジナルはそのまま残しておいて、圧縮したPDFは別のフォルダに保存するほうが良いでしょう。



以上で自炊作業編はおしまいです。
せっかく買った本を自炊するのですから、失敗の無いようにうまくやりたいものです。
自炊は本をカッターで切ったり裁断したりと、ちょっと本が可哀想な面もありますが、私の場合には自炊してiPadなどで持ち歩くようになって読む頻度が増えたので、結果として良かったと思っています。
本は読んでこそ価値があるものですしね。